声優専門学校のメリットの一つは、学内で行われるオーディションに参加できることです。
オーディションに合格すると、声優プロダクションの所属声優になれたり、プロダクション付属の養成所に入所することができます。
ここでは、声優専門学校で行われるオーディション内容や参加資格などについて詳しく解説していきます。
また、オーディションに強い声優専門学校の特徴についてもご紹介していきます。
声優専門学校のオーディションとは?
声優専門学校のオーディションには、事務所(養成所)に所属するための「所属オーディション」と、作品の役をもらうための「キャストオーディション」があります。
声優専門学校で行われるオーディションといえば、「所属オーディション」を指すことが多いです。
多くの声優専門学校では、声優プロダクションの関係者を学校に招いて、学内で所属オーディションを開催します。
所属オーディションで声優プロダクションの関係者の目にとまると、声優プロダクションの所属声優になれたり、付属養成所に特待生として入所できることもあります。
ただし、声優専門学校によっては学内オーディションを開催していなかったり、参加プロダクションが少ない専門学校などもあり、オーディションに対する取り組みには各校大きな差があります。
声優を目指す学生にとって、所属オーディションは将来を左右する重要なイベントといえます。
声優専門学校を卒業後は声優デビューを目指すのであれば、声優専門学校を選ぶ段階で各校のオーディションに対する取り組みを比較しておくことが大切です。
オーディションの審査内容
声優専門学校で行われるオーディションの内容は、専門学校や受験するプロダクションによって違います。
とはいえ、大まかな内容としてはどのオーディションでも共通していると言えます。
まずは、所属オーディションではどのような審査が行われるのかを見ていきましょう。
書類審査
プロダクション所属オーディションを受けるための第一関門は書類審査です。
学内のオーディションでは免除される場合もありますが、一般的には書類選考の段階でまずはふるいにかけられます。
提出するものは、各プロダクション指定の書類と写真、ボイスサンプルなどが一般的です。
ボイスサンプルとは、声の特長や演技力などをアピールするために、数種類のセリフやナレーションを録音したものです。
多くの声優専門学校では、学校内でボイスサンプルを録音し、添削してもらうことができます。
台本読みやナレーション
渡された台本を読み上げ、声を使った演技をしたり、ナレーションを行います。
自己PR
制限時間内に自分の特徴や特技などを自由にアピールします。
30秒~1分程度の時間を与えられることが多いです。
質疑応答
面接形式で審査員からの質問内容に答えます。
オーディションに参加するための条件
声優専門学校で行われる所属オーディションは、在学生が全員参加できる専門学校もあれば、選抜された学生しか参加できない専門学校もあります。
声優専門学校によってオーディション参加の条件は異なりますが、大前提として所属オーディションの参加には以下のような条件がある場合がほとんどです。
他の声優養成所やプロダクションに所属していない
声優養成所や声優プロダクションに所属している人は、他の声優養成所や声優プロダクションのオーディションには参加できません。これは声優業界の一般的なルールと考えておくとよいでしょう。
プロダクションに所属するということは、声優としてマネージメントを受ける契約をするということです。
一般的にはプロダクションを掛け持ちで契約することはほとんどありません。
声優専門学生に関しては養成所やプロダクションに所属していないため、自由にオーディションを受けることが可能です。
好きなプロダクションのオーディションを何社でも自由に受けられることが声優専門学校の強みです。
年齢制限
声優養成所や声優プロダクションのオーディションには、多くの場合年齢制限が設けられています。
18歳~35歳あたりで制限されていることが多くなりますが、プロダクションによって対象年齢は変わってきます。
また、同系列の声優プロダクションと養成所でも、オーディションの年齢制限が違う場合もあります。
声優専門学校を卒業(見込み)の方
一部のプロダクションに限ってですが、声優専門学校を卒業していることを条件にしているプロダクションもあります。
プロダクションによっては、「声優の基礎を学んだ者」というような表現をしていることもあります。
声優専門学校に在学中の場合は、翌年の3月に卒業見込みであることが条件になります。
オーディションに強い声優専門学校の特徴
声優の輩出実績が良い声優専門学校では、オーディションへの取り組みを強化している傾向にあります。
声優専門学校の声優輩出実績は、オーディションによって差がつくと言っても過言ではないでしょう。
ここでは、オーディションに強い声優専門学校の特徴を解説していきます。
オーディション回数が多い
オーディション回数が多いということは、それだけ声優になるチャンスが多いということです。
また、オーディション回数が多いことで、オーディションの経験値を積み上げることができます。
オーディションでは、緊張から自分の持っている力を十分に発揮できないこともあります。
オーディションに何度も挑戦することで、本来自分が持っている力を発揮できるようになるでしょう。
声優専門学校の中には、学内オーディションを行っていない専門学校もあれば、年間350回以上のオーディションを行っている専門学校もあります。
声優専門学校が学生に提供するオーディションの回数は、入学前にしっかりとリサーチしておきたいポイントです。
オーディションの参加プロダクションが多い
オーディションの参加プロダクションが多いと、声優デビューのチャンスはさらに広がります。
プロダクションによって必要としている人材は違うため、審査基準も異なります。
あるプロダクションでは合格できなかったけれど、違うプロダクションでは合格できたというのもよくある話です。
声優専門学校で行われるオーディションに参加するプロダクションの数は、専門学校によって大きく差があります。
参加プロダクションが10社にも満たない専門学校もあれば、90社を超える専門学校もあります。
声優を目指す学生であれば、たくさんの声優プロダクションと出会える声優専門学校がおすすめです。
オーディション対策が丁寧
オーディション合格のカギは、オーディション対策がしっかりとできているかどうかにもかかっています。
つまり、オーディション対策の質が声優専門学校の力の見せ所と言えます。
声優プロダクションによって必要とするスキルや人材は違います。
また、時代によっても変化してくるものでもあります。
プロダクションが求めるスキルや人材を細かくキャッチし、オーディション対策に落とし込むことができる専門学校は、オーディションに強い声優専門学校といえるでしょう。
オーディション実績に直接所属がある
オーディションに強い声優専門学校は、なんといっても結果を出している声優専門学校といえます。
その中でも、最も高く評価できるのはプロダクション直接所属の実績を出している声優専門学校です。
オーディションの合格実績は大きく分けて以下の3つに分けることができます。
- 直接所属(預かり・準所属も含む)
- 特待生(養成所の上級クラス)
- 養成所生
直接所属とは、養成所を経由せずに直接プロダクションの所属声優になることです。
プロダクションの所属声優になれば、プロダクションのマネージメントの対象となります。つまり、声優としてのお仕事を始めることができます。
預かりや準所属とは、養成所でレッスンを継続しながら、並行してマネージメントも受けられる所属形態です。
直接所属には及ばずもう少しレッスンが必要だと判断された場合には、養成所へ入所することになります。
養成所の特待生として合格すると、上級クラスからレッスンを始めることができます。また、場合によっては学費の免除もあります。
養成所に入所するにもオーディションに合格する必要があるため、第一関門突破という感覚で良いでしょう。
声優プロダクションへの所属合格は狭き門のため、毎年多数の合格者を出すことはとても難しいことです。
それでも、実績のある声優専門学校では、毎年多くの学生が直接所属合格を勝ち取っています。
オーディションで声優専門学校を比較する際は、直接所属の実績がある声優専門学校かどうかにも注目してみると良いでしょう。
オーディションに強い声優専門学校はココ!
オーディションで多くの実績を出している声優専門学校をご紹介します。これから声優専門学校を探す方はぜひ参考にしてみてください。
総合学園ヒューマンアカデミー
総合学園ヒューマンアカデミーは、オーディション回数と参加プロダクションが業界トップレベルに多いことで有名な学校です。
年間のオーディション回数は350回以上、参加プロダクションは90社を超えます。
ヒューマンアカデミーでは、主に2つのオーディションが行われています。
一つはドラフトオーディションです。ドラフトオーディションとは、全国各地のヒューマンアカデミーの学生を対象に行われるオーディションです。
一次審査はヒューマンアカデミーの校舎で行われ、複数のプロダクション担当者の前で自己紹介やセリフ課題を行います。
合格者は二次審査に進み、各プロダクション指定のオフィスやスタジオでオーディションを受けます。
もう一つは、プロダクション個別オーディションです。
複数のプロダクションによる同時開催ではなく、 プロダクション別のオーディションが毎年1月~3月に開催されています。
プロダクション個別オーディションの期間は、2、3日に1回のペースでオーディションを受けることができます。
個別オーディションでは合格できなかったとしても、「何がダメだったのか?」「次はどうしたらいいのか?」「プロダクションが必要としている人材とは?」などのフィードバックを受けることができます。
それにより、次の課題を見つけやすく、1回1回のオーディションが成長につながっているという声もあります。
アミューズメントメディア総合学院
アミューズメントメディア総合学院では、70社以上の声優プロダクションが参加する学内オーディションを行っています。
総合学園ヒューマンアカデミーよりも少ないとはいえ、参加プロダクションの数は業界の中では多い学校になります。
アミューズメントメディア総合学院では、複数のプロダクションが一斉に参加する合同オーディションはなく、プロダクションごとの個別オーディションのみとなっています。
アミューズメントメディア総合学院のオーディション回数は公表されていないものの、毎年60%以上もの学生が直接所属を勝ち取っていることから、オーディションに強い声優専門学校として知られています。
声優専門学校はオーディションで選ぶべき理由
声優専門学校に入学するのであれば、オーディションに強い声優専門学校をおすすめします。
オーディションに強い声優専門学校を選ぶべき理由は以下の通りです。
オーディションの傾向と対策を学べる
声優のオーディションの中には一般公募されているものもあり、条件さえ合えば声優専門学生でなくても受けることができます。
しかし、オーディションの傾向と対策までを知ることは難しいでしょう。
オーディション対策に力を入れている声優専門学校であれば、どのような点に気を付けてオーディションにのぞめば良いのか、指導を受けることができます。
また、卒業生にプロダクション所属声優がいる声優専門学校を選べば、各プロダクションの入所後の情報を得ることもできるでしょう。
オーディションに合格するためにできるだけ多くの情報が欲しいという方は、声優専門学校に入学するのがおすすめです。
声優の仕事はプロダクション所属が必須?
声優としてお仕事をするには、基本的にはプロダクションに所属する必要があります。
声優の中にはフリーで活躍している人もいますが、無名の新人声優がフリーで仕事を勝ち取るのは難しいことです。
したがって、声優を目指すならまずは声優プロダクションへの所属を目指すのが鉄則です。
声優専門学校で多くのオーディションに挑戦することで、声優プロダクションの所属を目指すことができます。