世界に誇る日本のエンターテイメントといえばアニメでしょう。そのアニメの世界観を表現するためにとても重要な役割を担っているのが、アニメソングです。
近年、アニソンはアニメ同様に大きな注目を集めており、アニソン歌手を目指す人も増えています。
ここでは、アニソン歌手になるための方法や、アニソンの専門学校について詳しく解説していきます。
アニソン歌手になる方法
まずはじめに、どうすればアニソン歌手になれるのかについて確認していきましょう。
アニソンはもはや音楽ジャンルの一つと言えますが、アニソン歌手になるための王道ルートのようなものはありません。
実際には、以下のような方法でアニソン歌手を目指す人が多いです。
- 声優になってアニソンを担当する
- 歌手になってアニソンを担当する
- アニソンのオーディションに合格する
- SNSや動画で独自にプロモーションする
最近は、声優でありながらアーティスト活動をしている「声優アーティスト」が増えています。
声優になるための専門学校や養成所でも、演技やアフレコの他に歌やダンスも教えている所が多く、声優とアニソンは密接に関係していることがわかります。
歌手になってからアニメの主題歌などのオファーを受けることもありますが、歌手になるための競争率は非常に高いです。にも関わらず、歌手とアニソン歌手とでは、求められるスキルが異なります。
また、オーディションでアニソン歌手を目指す人もいます。うまくいけば最も近道になりますが、オーディションは数千人の応募者の中から勝ち上がらなければなりません。
オーディションに挑戦するのも良いことですが、まずは事務所への所属を目指す方が可能性は広がるでしょう。
また、SNSや動画配信などは4つの方法の中で最も手軽に始められる方法といえるでしょう。
ただし、プロのマネジメントがない限り、わずかなチャンスをものにしてアニソン歌手としてデビューするのは、オーディションより難しいといっても過言ではありません。
オーディションやSNSについては、声優や歌手としてのデビューを目指しながら並行して取り組んでいくのが良いでしょう。
アニソン歌手になるにはアニソンの専門学校へ
アニソン歌手を目指している人には、主に以下のような学校やスクールで技術を習得をしている人が多いです。
- ボイトレスクール
- 音大や音楽専門学校
- アニソン専門学校
アニソン歌手を目指すにはいくつかの方法がありますが、最も効率的なのはアニソンの専門学校です。
基礎からしっかりと技術を身に付けて着実にデビューを目指すなら、アニソンの専門学校がおすすめです。
アニソンは一般的なJ-popとは求められるスキルが違います。歌唱力の他にも、声優としての演技力や、声を変えるボイスチェンジの技術を求められる場合もあります。また、ダンスやパフォーマンス技術も必要となるでしょう。
アニソンについて学べる専門学校には、声優学科も併設されていることが多いので、歌手の技術だけではなく声優の技術も学べる環境が整っています。
声優の育成にも力を入れている専門学校が多いので、声優を目指しながらアニソン歌手を目指すというルートに近い学校と言えるでしょう。
それでは、アニソンの専門学校ならどの学校を選べばよいのでしょうか?続いてはおすすめの専門学校についてご紹介します。
おすすめのアニソン専門学校はココ!
声優の専門学校は東京都内だけでも十数校ありますが、アニソンについて専門的に学べる専門学校となると数は限られます。
カリキュラムや講師、卒業生実績などを踏まえて、以下の3つのアニソン専門学校をおすすめします。
代々木アニメーション学院
アニソンについて本格的に学ぶなら、アニメや声優業界へ多くの人材を輩出している代々木アニメーション学院がおすすめです。
代々木アニメーション学院は、アニソン界の女王ともいわれる水樹奈々さんの出身校です。
代々木アニメーション学院は、声優やアニメーター、アニメ監督などアニメ業界に長年多くの卒業生を輩出してきたこともあり、アニメ業界に太いパイプを持っています。
現在日本で放映されているほぼ全てのアニメ作品に、代々木アニメーション学院の卒業生が関わっているほどです。
代々木アニメーション学院のアニソン科のカリキュラムは、「ラブライブ!」の音楽プロデューサー木皿陽平さんが監修しています。
音楽プロデューサーという仕事はアニメ作品における音楽の最高責任者なので、アニソン歌手が何を求められるのかを深く理解している人といえます。
また、代々木アニメーション学院は、学校運営だけではなく「=LOVE」や「≠ME」などアイドルグループのマネジメントも行っています。これはアニソン専門学校の中では珍しい形態です。
実際にマネジメント業務に携わっているからこそ、現場経験をいち早く授業に還元することができ、時代にあった人材育成が可能になります。
講師には有名アーティストを担当するボイストレーナーが在籍しており、設備にはプロが使用する最新機器が導入されています。
また、ライブ経験をたくさん積めるように、学内にはライブハウスを完備するなど、教育環境が充実していることも評判の良い点です。
代々木アニメーション学院はエンタメに強い学校なので、王道ルートがないアニソン歌手を目指す人にとって、チャンスを見つけやすい学校といえるでしょう。
東京アニメーションカレッジ専門学校
東京アニメーションカレッジ専門学校は、声優やアニメーターの育成を行ってきた専門学校です。
東京アニメーションカレッジ専門学校には2年制と3年制のコースがありますが、声優アーティストコースは2年制になります。
クラスは少人数制となっており、基礎からゆっくりと学べる環境が整っています。
東京アニメーションカレッジ専門学校は音楽の学校としてスタートした経緯もあり、ヴォーカルトレーニングの授業には定評があります。
また特別授業では有名声優が招かれ、トークショーで質疑応答ができるチャンスもあります。
声優の育成実績に関しては、有名声優の輩出が多い学校というわけでもありませんが、事務所所属や養成所の特待生合格などは毎年勝ち取っています。
少人数制で基礎からゆっくり学びたいという人は、候補の一つとして比較検討してみるとよいでしょう。
専門学校ESPエンタテインメント
専門学校ESPエンタテインメントは他校とは違い、1年次は声優を目指す学生と同じカリキュラムが組まれています。2年次にアーティスト専攻か演技専攻かに分かれ、それぞれの分野をより深めていくような教育スタイルをとっています。
アニソン歌手を目指せるアーティスト専攻を選択すると、授業の4割がダンスレッスンや歌唱指導などアニソン歌手になるためのレッスンになります。
ESPエンタテインメントは音楽分野に強く、声優よりも歌手の輩出実績の方が目立つ学校です。アニソンに限らず、本格的に音楽業界で活躍していきたいと考えている方にはおすすめの専門学校です。
アニソン専門学校に行くメリット
アニソン専門学校を選択することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
アニソン専門学校のメリットについて詳しく見ていきます。
- アニソンに特化したカリキュラム
- 業界に詳しい講師がいる
- 進路相談ができる
- 同じ夢を持つ仲間ができる
アニソン専門学校では、ボーカル技術の他にも演技やダンスなど、アニソン歌手に必要な技術を身に付けることができます。そのため、自分で足りないレッスンを補ったり、スケジューリングする必要がありません。
また、現役声優や歌手のボイストレーナーなど、業界に詳しい講師から指導を受けることができます。
業界をよく知る講師陣にアニソン歌手になるための進路相談ができるのも、アニソン専門学校ならではのメリットといえるでしょう。
逆を言えば、アニメ業界に詳しい講師が少なかったり、進路サポートが整っていないアニソン専門学校にはそれほどメリットはありません。
また、アニソン専門学校には同じ目標を持つ学生が集まります。趣味や趣向が合う友達をみつけたり、情報交換をしながら切磋琢磨できる仲間を見つけられるのもアニソン専門学校の魅力です。
アニソン専門学校に行くデメリット
アニソン専門学校は、アニソン歌手を目指す人にとってメリットばかりの学校ではなく、残念ながらデメリットも存在します。
ここからはアニソン専門学校のデメリットについて見ていきましょう。
- 時間とお金がかかる
- 必ずアニソン歌手になれるわけではない
- 一般就職には不向き
アニソン専門学校は、多くの場合は2年間の通学が必要になります。そのため、時間とお金がかかります。
それにも関わらず、アニソン専門学校を卒業したからといって、必ずしもアニソン歌手になれるわけではありません。
また、アニソン専門学校を卒業しても学歴が就職に有利に働くことは少ないので、就職を一番に考えている人にとっては、それほどメリットがない専門学校と言えます。
これについては、アニソンに限らずエンタメ系の専門学校ならどの学校にも言えることです。
アニソン専門学校は、アニソン歌手になるために必要なスキルを身に付けるには最適な場所ですが、アニソン歌手になることが保証されている場所ではないということを肝に銘じておきましょう。
失敗しないアニソン専門学校の選び方
せっかく高いお金を払ってアニソン専門学校にいくのであれば、学校選びは失敗したくないものです。
ここでは、学校選びで失敗しないためにチェックしておきたいポイントを解説します。
失敗しないアニソン専門学校の選び方は以下の通りです。
- 声優の卒業生が多い
- 声優+歌手のカリキュラムが組まれている
- 歌唱指導ができる講師がいる
- オーディション対策がある
- オープンキャンパスに参加する
声優の卒業生が多い
卒業生の輩出実績は、アニソン専門学校の教育力を比較する上でとても大切なポイントです。
しかしながら、アニソン専門学校の歴史はそれほど長くないので、各学校のアニソン歌手の輩出実績を比較するのは困難です。
そこで、アニソン専門学校の実績については、声優の輩出実績を比較することをおすすめします。
前述したように、声優になってからアニソン歌手を目指す人が多いので、まずは声優の輩出実績を比較することで、各学校の教育水準を比較することができます。
声優を多く輩出している専門学校は、教育力やデビューへのバックアップ体制が高く評価できるので、アニソン歌手を目指すのにも最適と考えられます。
アニソン歌手になるためのステップとして声優になることを考えている人にとっても、声優の輩出実績が大きな評価ポイントとなるでしょう。
声優+歌手のカリキュラムが組まれている
アニソン専門学校を選ぶ際には、声優になるための授業と歌手になるための授業が、バランスよく組まれている専門学校を選びましょう。
声優のレッスンとしては、発声練習や演技レッスン、アフレコなどの授業が代表的です。
歌手のレッスンでは、ヴォーカルテクニックを学べる歌唱指導が必要になります。
アニソン歌手はライブパフォーマンスを求められることも多いので、ダンスやステージングの授業がカリキュラムに含まれているかどうかもチェックしておくとよいでしょう。
歌手になるためのカリキュラムのみの専攻でもアニソン歌手を目指すことはできますが、声優の技術も身に付けておく方が、アニソン歌手としてデビューできる可能性は高くなります。
カリキュラムに声優の授業が含まれているかどうかもチェックしておきましょう。
歌唱指導ができる講師がいる
アニソン学科は声優専門学校の中に設置されていることが多いという背景から、声優関連の講師が多いです。
歌唱指導まで声優が行う学校もありますが、できれば歌手やボイストレーナーがいる学校を選びましょう。
声優とアニソン歌手は身近な存在ではありますが、ヴォーカルレッスンを受けるに当たっては、プロの歌手や歌手の指導経験がある人の方が望ましいです。
声優は発声などのボイストレーニングはできますが、ヴォーカルテクニックやステージパフォーマンスについては、歌のスペシャリストの方が幅広い知識を持っています。
一方で、歌唱指導の講師ばかりで演技やアフレコの技術を教える講師がいない場合もあるので、声優を育成できる講師と歌手を育成できる講師の両方が揃っているかを確認しましょう。
オーディション対策がある
アニソン声優になるためには多くのオーディションを経験することになります。
専門学校を選ぶ際には、オーディション対策に力を入れているかどうかは必ず確認したいポイントです。
どの専門学校でもある程度のオーディション対策はしていますが、やはり実績のあるアニソン専門学校はオーディション対策も万全です。
自己PRやオーディション時の立ち振る舞いの他にも、写真撮影時の服装やポージングに至るまで、オーディションについて細かい指導を受けられる専門学校を選びましょう。
オープンキャンパスに参加しよう
アニソン専門学校の選択で失敗しないためには、オープンキャンパスや学校見学に参加することも重要です。
オープンキャンパスでは普段の学生の様子を見ることができるので、学校生活のイメージがしやすくなります。
また、専門学校によって施設や設備の充実度は異なりますが、オープンキャンパスでは学校ホームページだけでは分からない雰囲気を感じることができるでしょう。
さらに、オープンキャンパスでは有名声優やアニソンシンガーなどの特別ゲストが登壇したり、ボイトレやアフレコなどの授業を体験することもできます。
講師や学生への質疑応答の時間が設けられることもあるので、不安に思っていることなどを聞けるチャンスもあります。
オープンキャンパスは各専門学校の違いを体感するだけではなく、本当にアニソン専門学校で学ぶべきかを再確認するいい機会でもあります。
アニソン専門学校の選択で失敗しないために、まずは気になるアニソン専門学校のオープンキャンパスに参加してみましょう。
アニソン専門学校の学費の相場はいくら?
東京にあるアニソン専門学校の学費の相場は、2年制で220〜290万円、3年制で330〜390万円といったところです。
ただし、専門学校の学費には、教材費や研修費などの費用が含まれている学校と含まれていない学校があるので注意が必要です。
専門学校によっては、授業料は安くても別途費用が高い場合もあります。教材費などの値段は学校によって異なるので、募集要項で詳細までしっかりと確認しましょう。
以下に、東京都内にあるアニソン専門学校の学費を一覧で紹介します。ここでは、基本的には教材費を含めた学費で比較しています。(一部を除く)
学校名 | 2年間の学費 | 3年間の学費 |
---|---|---|
代々木アニメーション学院 | 2,906,000円 | × |
東京アニメーションカレッジ | 2,632,000円 (+教材費) | × |
ESPエンタテインメント | 2,800,000円 | × |
国立音楽院 | 2,440,000円 | 3,360,000円 |
東京声優・国際アカデミー | 2,260,000円 | × |
東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校 | × | 4,846,400円※ |
東京クールジャパン | 2,541,000円 (+教材費) | × |
※2024年3月26日時点の情報です。
※上記の学費に加えて別途諸費用がかかる場合があります。詳細は各専門学校の募集要項でご確認をお願いします。
※東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校の学費は参考金額です。正確な学費については公式ホームページでご確認ください。
アニソン専門学校には学費サポートがある?
アニソン専門学校では、学費で困っている人のために、奨学金や教育ローンなどの学費のサポート体制が整っています。
奨学金や教育ローンは基本的には返済が必要ですが、一度にまとまったお金を用意しなくてもよいため、安心して学校生活を送ることができます。
また、条件を満たした学生を対象に、学費を減額する制度を設けている専門学校もあります。
例えば、AO入試で入学した場合や、兄弟・姉妹が同じ学校に通っている場合に、学費が減額される制度などがあります。
また、母子・父子家庭などの家庭環境に配慮した学費サポートもあります。
その他にも、特待生制度や新聞奨学生制度など、各専門学校に様々な種類の学費サポートがあります。
学費サポートは各アニソン専門学校によって内容が異なるので、気になる専門学校は資料を請求するなどして確認しておきましょう。
アニソン専門学校に入学するのは難しい?入試の難易度を解説!
アニソン専門学校の入試では、基本的に筆記試験や実技試験などは行いません。
アニソン専門学校の入試に多い審査方法は書類や面接で、実力よりもやる気や学習意欲を見られます。
アニソンについて本気で学びたいという意欲を見せることができれば、入学自体は難しくありません。
アニソン専門学校の倍率に関しては、確かなデータはありませんがおそらく高くはないでしょう。
ただし、募集が殺到すると定員で締め切られる場合もあります。行きたいアニソン専門学校が決まっている人は、特典の多いAO入試を利用して早めに手続きすることをおすすめします。